松輪について


神奈川県三浦半島の先端、東京湾口側にある地名。 ☞ Google map

剱崎沖(※)と呼ばれる東京湾口のポイントには、海底に 松輪瀬 と呼ばれる瀬(海底の起伏)があります。東京湾からの潮通しも良い為、多くの魚達が居着くポイントとなっています。







※ 近年「ケンザキ」から「ツルギザキ」へと呼び名が変わったが、釣りではまだ一般的に「ケンザキ」と呼ばれています。
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 漁港

剱崎沖を地とする港は、剱崎の東京湾側から「間口港」、「松輪(江奈)港」、「毘沙門港」とあり、各港には遊魚船が数多くあり船釣りが盛んです。また、都内からのアクセスも良い為、関東近辺の船釣り師の人気スポットとなっています。

 
間口漁港


育丸 勇丸 一郎丸 伊仁丸 義一丸 喜市丸
喜平治丸 儀平丸 健洋丸 小やぶ丸 佐助丸 鈴清丸
鈴茂丸 千良丸 徳盛丸 利一丸 八兵衛丸 日の出丸
孫武丸 又信丸 松盛丸 丸又丸

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松輪(江奈)港


あまさけや丸 一義丸 かねいち丸 新徳丸 鈴米丸 せどおと丸
瀬戸丸 大松丸 伝五郎丸 成銀丸 浜鈴丸 棒面丸
美喜丸 若松丸

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毘沙門漁港


浜福丸 新店丸 金長丸

 行事

■定休日 船宿によって異なります。月に1~2日休む所が多いようです。
■元旦   1/1のみ休む船宿が多いようです。
竜宮様 2/26、8/17、11/27に祭礼でお休みになるようです。
■お盆休み 船宿によって異なります。8月前後
※松輪 乗合船の基本定休日は第2・4・5月曜日 (2010.1現在)

 協定

■遊漁船の操業時間: 日の出~7時間 (目安)
 出船時間は毎年、毎年協会で話し合って決められ、季節・釣り物によっても変動します。
 11月~2月 ⇒ 7:00 ~ 14:00
 3月 ⇒ 6:30 ~ 13:30
 4月 ⇒ 6:00 ~ 13:00
 5月~8月 ⇒ 5:30 ~ 12:30
 9月 ⇒ 6:00 ~ 13:00
 10月 ⇒ 6:30 ~ 13:30
 
■規定:
 神奈川県 遊漁におけるルール (2016 改訂)
   ※各規定は組合によって毎年見直されます。
   ※水産庁「遊漁の部屋(遊漁・海面利用の基本ルール)
 
 ● 6~8月以外イサギ禁漁。また遊漁禁止のポイントもあり
 ● 6~7月は産卵期間としてカワハギ自主禁漁期間

 放流

マダイ種苗放流効果調査 / 水産技術センター
神奈川県では、相模湾・東京湾併せて毎年8-9月に80-120万尾のマダイ種苗が放流されています。放流魚が(漁獲物に)占める割合は4割前後と推定されす。(2013年調査)

さいばいニュース / 神奈川栽培漁業協会
神奈川県では昭和48年から昭和61年まで、神奈川県水産試験場(現 神奈川水産試験センター)が種苗量産技術開発を経て100万尾の種苗を生産できるようになり、本格的な種苗放流事業が始まるようになりました。

神奈川栽培漁業協会は、水産試験場の種苗生産事業を昭和62年度から引き継ぎ70万~100万尾の種苗を東京湾と相模湾に放流してきました。

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 松輪のノッコミ

剱崎に関して言えば、

表水温が16℃~18℃になると、水深90m以深にいた鯛が松輪瀬50~60m域に産卵の準備の為に集まって取餌し体力をつけるそうです。
どこから来るのかは、西からだったり東からだったり区々のようです。そして更に浅い雨崎など際に入り込み産卵するようです。

またこの頃の水温は、アマ藻が漂い始める頃で、卵や稚魚を外敵から守るのに適しているそうです。
地上では桜の開花と時期が重なる為、この時期に釣れる鯛を「サクラダイ」と呼んだりされます。


神奈川栽培漁業協会「さいばいニュース」より
マダイは桜が咲くころから産卵期に入ります。

春、水温が15度から18度に上昇し始めると産卵が始まります。天然マダイの産卵場はマダイの漁場となっています。
春、水深100m付近で越冬していたマダイは水深30m付近の浅場の礁に移動して産卵しているものとみられます。

池で飼育しているマダイを観察すると、雄はこの時期、頭の周辺が茶褐色から黒色の婚姻色となります。
雌はまさに桜色の体に散りばめられた水色の斑点が蛍光色を光らせ艶やかな体となります。

昼間、雌の後に雄が数尾追尾をして泳ぎ回っています。

夕方、泳ぎが活発になり、雌が海面近くで放卵をすると、そこに何十匹の雄が放精する行動をとります。
一匹の雌は産卵期に何回かに分けて産卵します。産卵数は満四年魚で一尾百万から二百万粒を産卵します。


松輪某船長の乗っ込み予想(HP)
「港周りは水温が12度前後ですが水深100M前後まで17度近い水温が入れ込んでいます。 黒潮も房総沿岸まで入れ込んで早めに上がって来るでしょう。
乗っ込みの漁場は松輪瀬の一番先端で房総の洲ノ崎から潮が入れると訳無く入れ込みます。 目安は16.8~17.3度です。ここまで上って安定すれば始まります。」


神奈川県栽培漁業協会 専務理事の乗っ込み予想(TV番組「釣り百景」2016年3月放送)
「(ノッコミは)九州では1~2月から始まるそうです。主に14℃以上になると産卵期が始まって、神奈川では4月中旬から6月までにかけて約18~20℃になった時に産卵盛期を迎えます。場所は三浦半島の岩礁域に産卵所が形成されています。浦賀水道から松輪沖の吉野瀬、そういう所に産卵所があります。」



松輪某船長の乗っ込み予想(TV番組「釣り百景」2016年3月放送)
「剱崎沖では冬場はあまり日中潮は行かないが、春にかけて沖の潮(黒潮)が近付くと東京湾奥の水を押し出し冷たい潮が出て行く。すると剱崎沖の水温も上がり、そのポンプ作用で潮も行き始め、魚の活性も上がってくる。黒潮の接岸と同時に潮が速くなる。これがノッコミ時期と一致する。」

16度後半~17度ラインが漁場に入って2日くらい水温安定すれば喰いが立つ。

大きい潮周り(長若潮あとの干満が大きくなる潮)は湾内ポンプで出入りが激しいので小さい潮周り(長若潮へ向かう干満の小さい潮)の方が安定しやすい。目安としては中~小潮の潮周りで、東京湾海況図で17度ラインが漁場(吉野瀬)に入った翌日くらいからが狙い目か?大きい潮周りは博打要素あり?

 四季の釣りもの

【春】   マダイ、マアジ
【初夏】 イサギ、マルイカ、マダイ、マアジ
【夏秋】 ワラサ、イナダ、マダイ、マアジ、マサバ
【冬】 カワハギ、イシダイ、マダイ、マアジ


季節によっていろんな魚を狙いますが、一年中「マダイ」をメインにしている船宿が多いです。釣り場は基本的に港を出てすぐ(15分ほど)にある’瀬’(海底の盛り上がっているところ)、松輪瀬水深40m前後の場所で底を釣ります。マダイ、イサギ、青物と水深の違いはあれ、ほぼこの松輪瀬での釣りとなります。


4月~6月
桜が咲く頃になると、産卵を控えたマダイが沖合いの深場から陸寄りの浅場に群れで入ってくる(乗っ込みと言います。)為、大型が釣れるチャンスと多くの釣り人が押しかけて港は大変な賑わいとなります。お祭りのようなもので4月から6月にかけて「乗っ込み鯛」を狙います。


6月~8月
6月、梅雨の時期に入るとイサギ釣りが解禁となり、コチラも産卵を控えた脂がのったイサギを狙います。イサギが付く根(海底の山のようなものです)は小さい為、各釣り船は協定の時間になると一斉に港を飛び出し、我先にと全速力で根に向かいます。船と船がぶつからんばかりに寄り添いながらの釣りとなります。8月一杯まで狙えます。


8月~11月
例年お盆を過ぎる頃になると、回遊魚のワラサの話題で盛り上がり始めます。ワラサは出世魚ブリの幼魚で、当年魚ワカシ→2年魚イナダ→3年魚ワラサ→5年魚ブリとなります。黒潮にのって西から東へと回遊する為、西で「神子元で喰ったらしい」とか、「初島周りで始まったらしい」などと情報戦が繰り広げられます。

一度喰うと大船団が松輪にできるものです。これも黒潮の影響か、「当たり年」と「ハズレ年」があり、2000年以降は単発で終わってしまうことが多かったです。今年こそはと皆、待ちわびているのです。

またこの時期、8月から10月いっぱいに掛けて、間口港からは職漁船が湾口に船団を作り、関サバ並の浜値が付くブランド魚「松輪サバ」を狙う光景が見られます。8月~11月は年によりますがイナダが回ってきたり、カツヲやメジ(クロマグロの幼魚)、キメジ(キハダマグロの幼魚)が回ってきたり、サバ、ソーダなど海が賑やかになる季節です。


10月~3月
そんな夏祭りの騒ぎが収まる10月に入った頃から翌年の乗っ込みまでは、小型主体ながらマダイの数釣りが楽しめます。良い潮にあたれば大釣りもあるのがこの時期です。年末になると正月用の「尾頭付き」を求めて港に活気が戻ります。

船によっては深場に落ちた「落ち鯛」を求めて城ヶ島沖など、100m前後の場所を攻めたりすることもあるようです。こちらは数は出ないまでも大型の鯛が望めます。またマアジは港前にある漁礁などポイントも多く、場所によって2~30㎝の中アジから40㎝を超える大アジなど、一年を通して狙えます。

10~11月になると肝の詰まったカワハギの群れが集まるので人気ターゲットになってきます。船によっては季節でムギイカ、スルメイカ、ヤリイカ、マルイカ、アオリイカなどをやることもあります。イカ狙いでは間口港が有名です。他にメダイやイシダイ、深場の沖の瀬で釣れるクロムツ、地キンメなど模様次第で狙ったりします。

 釣り方とか
イカ、カワハギなんかを除いて、基本的には「コマセ釣り」です。

コマセ・付け餌とも「オキアミ」で、コマセを撒き魚を寄せて釣りをします。また、コマセを撒いたらロッドキーパーに竿を置き、1~3分待つ「置き竿釣法」で狙うのが一般的です。

仕掛けはコマセビシ(※1)80号の片天秤(※2)仕掛けで、マダイであれば太さ 2mm 長さ 1mのクッションゴム(※3)を介してハリス2号~4号を 4ヒロ~6ヒロ( 6m~9m)にマダイ針 7~9号、他にチヌ針、グレ針などを縛った1本針仕掛けか、枝スを出した2本針の仕掛けで釣ります。

釣りモノによって天秤から先を、ワラサならハリス6号6mに針はヒラマサ12号、イサギなら3号3.5mにチヌ針3号を2、3本結んだ仕掛けといったように変えて釣ります。

竿は30号~50号負荷の 2,5~3.5m 胴調子の竿に、道糸にPEライン3~5号を300mくらい入れた小型電動リールや中型両軸リールを使います。

マダイ釣りでは最近、軽めの短い竿を手持ちで誘って喰わす「攻めの釣り」の人気が出てきました。

(※1) 撒き餌を入れるプラカゴとオモリが一体になったモノ。80号はオモリの重さ。
(※2) リールからの道糸と、針の付いた仕掛けの間に入れる針金でできた金具。そこにコマセビシをぶら下げるので、仕掛けと絡まないような形状をしています。
(※3) 仕掛けの根元に付けるゴム糸。魚との引張りっこで、仕掛けが切れるのを防ぎます。

 松輪リンク

和食レストラン地魚料理「松輪」 ・・・ 松輪港内の地魚料理レストラン ※Instagram ※Facebook

海の幸 畑の幸「ぼーめん」 ・・・ 松輪船宿「棒面丸」経営地魚料理レストラン

海鮮料理「輪中」 ・・・ 間口港の地魚料理レストラン ※Instagram ※Facebook

レストランKANEDA ・・・ 金田港の地魚料理レストラン ※Instagram ※Facebook

回転寿司「海鮮」 ・・・ 金田港の地魚料理レストラン ※ウェブサイト

海鮮料理「まるよし食堂」 ・・・ 宮川漁港の食堂 ※Instagram ※Facebook















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